笑顔の夢玉

 去る3月1日ファイナルイベント・マハロをもって「第2回いわきフラオンパク」が閉幕した。(“マハロ”はハワイ語で「ありがとう」や「感謝する」を意味する言葉)
  「オンパク」とは「温泉泊覧会」の略称。最初に開催されたのは大分県・別府市。「別府八湯温泉泊覧会」は2001年10月からスタートし継続して開催されている。温泉、健康と美、まち歩き、人、食などを通じて、知っているようで知らない「まち」の素顔を発見しようという、地域資源を地域自らがプロデュースする「着地型観光」の試みのひとつである。
 「オンパク」のノウハウは地域活性化の手法の一つとして注目され開催地も増加し日本全国に広まって来ている。いわき市での開催は別府、函館に続き全国で3番目。
 「第一回いわきフラオンパク」(平成20年1月6日から3月2日まで開催)のテーマは、「フラガールが生まれた街で元気になれ!」。いわき湯本温泉を舞台にした大ヒット映画「フラガール」。愛する街を助けようと立ち上がった少女達の熱いスピリッツ。そんな少女達に負けないフラオンパク実行委員会メンバーの「いわきをもっと知ってほしい!大地の恵・熱い息吹(温泉、炭坑)を感じて欲しい!」そんな熱い想いがこのテーマには込められている。
 そして「第二回いわきフラオンパク」(平成20年12月6日から平成21年3月1日)。テーマは「笑顔の夢玉あなたにとどけ・・・」(夢玉と書いて“しゃぼん玉”)テーマに込められた想いは「あなたは誰の笑顔が見たいですか?大切な誰かの笑顔を見ると、つい笑みがこぼれます。そしてそんなあなたを見て、また誰かが笑顔に・・・。ここ“いわき”で生まれる“笑顔”のしゃぼんだま。ふわふわと笑顔いっぱい詰め込んだみんなの夢を運びますように・・・。」(フラオンパク公式ガイドブックより)
 さて、私は二回とも実行委員として、関わらせていただいた。
 イベントである以上、集客が重要であることは間違いない。集客するために様々な手法を用いるのも必要。ただ、それ以上にオンパクの基本は“再発見”。普段見逃している「まち」の魅力を再認識し多くの人に知ってもらう事。オンパクプログラムでは地元住民のふれあいの場、地元住民と観光客のふれあいの場、まちの魅力を再発見する場を提供し、派手さは無いけどなんだか楽しいと感じてもらえればと私は考えている。そのためには、なによりも住民の“笑顔”が絶えない、元気な「まち」である事が大切。そして、将来はオンパク期間でなくても、「いわきに行くとなんだか元気になる」「あの人に会いにいわきに行きたい。」そんな風に言われるようになればいいと思う。
 ともあれ、次回フラオンパク。詳細は未定だがいわき市全域を対象地域として開催されることは決定している。
“熱い想い”“笑顔の夢玉”まだ受け取っていない方は是非受け取って欲しい。そして3回目、“笑顔の夢玉”はどうなっていくのか?乞うご期待。

かぼすな暮らし

 昨年は、有りがたい事に「ゆず」と「かぼす」をたくさん頂いた。
 「ゆず」や「かぼす」の利用方法といえば、晩酌時に焼酎にギュッと絞って一杯とか、砂糖漬けにして食べたりとか、お風呂に入れたりとか。私はグルメでもないのであまり思い浮かばない。ところが、料理好きとはいいがたい(ごめん。)妻がインターネットで調べて、「かぼすジャム」「かぼすポン酢」やはたまた「柚子カード」なるものをつくった。
 「かぼすジャム」はつくる手間は係るが苦味と香りが素晴しく大人の味。「かぼすポン酢」はさっぱりしていて、肉料理、魚料理はもちろん、サラダ、鍋、その他もろもろの料理と相性が良くいろいろな楽しみ方が出来た。
そして、「柚子カード」。一見ジャムのようなもので、パンに塗って食べたり、チーズにつけて食べたりする。私は紅茶を飲みながらプロセスチーズにつけて食べるのが、なんとなく優雅な気分になり好みになった。
 どれも美味しく出来ていたが、(お世辞では有りません。)「柚子カード」は特に気に入った。「チーズってこんなにおいしかったんだな。」と再発見。こうなるとチーズにも興味が湧いてきた。
 日本では、大人なら嫌いだから食べないと言う人はいても、「一度もチーズを食べたことが無い」と言う人はめったにいないと思う。ただ、本当においしいチーズを食べたことがあるかと言えば疑問。一口に「チーズ」と言っても、種類も豊富。加熱・溶解させることで発酵を止め、長期保存できるようにした「プロセスチーズ」。加熱処理されていない「ナチュラルチーズ」。「ナチュラルチーズ」のなかにも、熟成させない「フレッシュチーズ」や熟成させる「ウォッシュチーズ」「白かびチーズ」「ブルーチーズ」、プロセスチーズを、燻した「スモークチーズ」など、書ききれないほどの種類・分類がある。
 私もチーズに興味を持ってから、「今まで食べていたチーズとはまったく違う」と思うチーズにも出会った。(私の食への興味がとぼしかったせいかもしれませんが・・・。)今、チーズは嫌いだと思っている人にも相性のいいチーズがあるかもしれない。
 『アラビアの商人が、子羊の胃袋で作った水筒に山羊の乳を入れ、ラクダの背にくくりつけ、砂漠の旅に出ました。暑い砂漠を歩き続け、疲れて喉が渇いたので水筒をあけると、そこには乳ではなく白い塊と透明な液体が出てきました。』と言う話が伝説として語り継がれ、この「白い塊」が最初のチーズと言われている。「白い塊」が「カード」とよばれ、液体のほうは「ホエー」と呼ばれることもチーズの製造方法を調べているうちにわかった。チーズに「柚子カード」をつけて食べるのは親戚同士を一緒に食べるようなものだった訳だ。
 最近ではスーパーに一緒に買い物にいくと、最初にチーズ売り場を覗く私を、妻はなかばあきれ顔で見ている。母からは「すぐに飽きるわよ。」と言われたりもしている。それでも、もうしばらくは私の「チーズのある生活」は続きそうだ。